解説集

令和元(2019)年に実施された「浅野氏広島城入城400年記念事業」概要について

1 開催概要

令和元(2019)年に、浅野家初代広島藩主浅野長晟が広島城に入城して400年という節目を契機に「浅野氏広島城入城400年記念事業」を次のとおり実施しました。

◆ 趣旨

これまで、広島の歴史や文化については、戦後の復興という部分に主にスポットがあてられ、被爆以前の歴史や文化について取り上げ、発信する機会が比較的少なかったため、被爆以前の広島の歴史や文化について、地元においても語ることが少なくなってきている。
このため、令和元(2019)年に浅野氏が広島城に入城して400年という節目の年を迎えることを契機とし、県民の皆様や広島県を訪れた人に、浅野氏入城以降の広島の歴史・文化を再発見していただく機会とする。

◆ 事業展開のイメージ

浅野氏広島城入場400年記念事業推進会議(以下「推進会議」という)としては、浅野氏ゆかりの施設(広島城,広島県立美術館等)を中心とし、各実施主体が浅野氏に関する記念事業や江戸時代以降の歴史・文化を学べるイベントなどを単独で実施することを前提としながら、事業全体を盛り上げていくため、これら事業の連携等を図ることとし、そのための具体的方策を示す。
また、備後地方を治めた福山藩の歴史•文化に焦点を当てて展開される「福山城築城400年記念事業」(主催:福山城築城400年記念事業実行委員会)とも連携を図り、県内の歴史・文化を幅広く知ることのできる機会とする。

◆ 開催期間

日時 :
平成31年3月29日(金)~令和2年3月31日(火)/(プレイベント:平成30年6月~平成31年3月)
実施場所 :
広島県内、山口県岩国市
実施主体 :
広島県、広島市、その他県内内市町、民間団体等、浅野氏広島城入城400年記念事業推進会議

2 事業概要

◆ 事業の構成

事業の構成

※本報告書は上記体系に沿って、それぞれの項目の実績について報告するものである。

◆ 記念事業

歴史•文化の再発見につながる事業を推進会議構成団体や、事業の趣旨に賛同した民間団体、自治体等が、3つのテーマに沿って実施した。

  1. 浅野氏の藩政を通した歴史•文化の発信

    1619年に広島城に入城した初代藩主浅野長晟から最後の藩主長勲まで12代約250年に渡る浅野氏藩政において築かれ、今の広島に通じている街づくりや産業•人づくりなどの歴史・文化を発信

  2. 江戸時代を中心とした、被爆以前の広島の歴史•文化の発信

    被爆以前の広島の歴史•文化については、これまで発信されることが比較的少なかったが、浅野氏広島城入城400年を契機として、江戸時代を中心に、県内の歴史・文化、民衆の生活•暮らしや風俗などを発信

  3. 西国街道に関連した歴史•文化の発信

    文化と交易の大動脈であった「西国街道」(近世の山陽道のことで、京都と下関を結ぶ幹線道路として当時の五街道(東海道、中山道、日光街道、奥州街道、甲州街道)に次ぐ重要な位置を占めていた。)や,、当時をしのぶ歴史的建造物等を発信

◆ 推進会議における取組

推進会議では,事業全体を盛り上げていくため、「共通広報」、「周遊促進」、「福山城築城400年記念事業との連携」、「推進会議主催事業」を実施した。


3 事業実績

浅野氏広島城入城日の400年後となる9月15日(旧暦8月8日)に、記念事業全体の盛り上げにつながるよう、子供達や歴史にあまり関心のない人も含め、多くの人に興味を持っていただけるような一般の方も参加できる主催事業を実施した。

①時代行列・入城行列

江戸時代の行列を模して武士,町人に扮した県民等約150人が広島市内中心部を練り歩き,最終的に広島城に入城(約55,000人観覧)

  • 柳橋公園にて出発式実施
  • 基町クレドふれあい広場にてPRイベント実施
  • 広島城にて入城式実施
時代行列・入城行列
時代行列・入城行列
時代行列・入城行列
時代行列・入城行列

②記念式典

浅野氏広島城入城400年を祝うとともに,東京大学史料編纂所 本郷和人教授による講演会等を実施(約1,000人参加)

  • 広島文教大学附属高等学校和太鼓部「文教太鼓 葵」によるオープニングアトラクション
  • 主催者挨拶・来賓紹介
  • 東京大学史料編纂所 本郷和人教授による講演会
    テーマ:「浅野氏が描いた夢 浅野氏入城後の広島」※ 式典・講演会の前後にロビーで上田流和風堂による茶会を開催
記念式典
記念式典
記念式典
記念式典
記念式典
記念式典

4 事業成績

本事業は、広島の歴史について改めて知っていただくことを目的とし、ひいては地域への愛着•誇りの形成につなげていくものであることから、事業成果として、江戸時代の広島の歴史への認知度がどの程度高まったのかを検証するために、次のとおり指標を設定し、事業初期(4月27日)と集中期間後(11月20日)の2時点での測定等を行った。

事業成績

※測定にはJ-MONITOR(民間機関が保有しているモニター(広島県民)から、年齢•性別)等のバランスを考慮して抽出した約300人を対象とした調査)を活用(1回目:4月27日、2回目:11月20日)

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