広島百景

星野良悦(ほしのりょうえつ) [ 1754~1802 ]

身幹儀(星野木骨)※国重要文化財
(広島大学医学部医学資料館所蔵)

星野家は広島城下で代々医業に携わる家系で、良悦は外科の父知近の跡を継ぎました。少年時代、下顎骨脱臼の整復を目にし、人体骨格の研究を行いました。1791年、広島藩の許可を得て、刑場で2名の刑人のうち1名を解剖し、1名は数か月をかけて白骨化させそれを原型に、精巧な木骨(骨格標本)を完成させました。これが広島における最初の人体解剖でした。さらに新たに木骨を製作し、1800年に幕府に献上すると、金30両の褒賞を授けられました。このことは一町医にとっては破格の栄誉であり、これを機に広島と江戸との学術的交流が盛んになったといわれています。
参考文献 「長﨑遊学者事典」渓水社(1999.10)P213
     「三百藩家臣人名辞典6」新人物往来社(1989.10)P174
     「日本洋学人名事典」柏書房(1994.7)P333

校正 広島県立文書館

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